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ルリユール

少し前、大切な本や古書が痛んできたときに修復するお仕事が話題になったような記憶があります。本好き、紙好きには興味のあるお仕事でしたが、忙しい毎日に新しいものは追いかけても古いものを振り返る時間はありませんでした。

昨日、書いたアテネ最後の日のお散歩の時、もう一軒、素敵なお店を見つけました。
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本屋さん?でも古い本ばかり、とのぞき込むと、女性が作業中。
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覗き込んで写真を撮る私を、どうぞ、とお店の中に招き入れてくれました。12畳ぐらいの小さなお店の中は私にとっては、パラダイス!!
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彼女が修復した本から自分で装丁した本、ノートやその素材、工具、本を製本する大きな機械、ごちゃごちゃ、ぎっしり。
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蚤の市に行って古い家具のパーツを仕入れて装丁に使ったり、金箔を自分で押したり、と自分の創造性を発揮する部分と、大切な古い書物を修復しなるべく元の状態に近づける作業の両方を一人でやっているとのことでした。
「日本!!!私の夢の国よ!!日本と中国にはいつか行ってみたいの。素晴らしい紙がたくさんあるでしょ」と言ってクリアフォルダーを出して見せてくれました。「古い本を修復する時に日本の紙を使うのよ。これが一番近くて、良いの。素晴らしいわ。高いんだけどね」
彼女からも小さなプレゼントをいただきました。彼女が作った5センチ四方のミニノートです。
実はこのノートによく似たノートを何十年も前に買って今も大切にしています。次に彼女に会うときにはこのノートを見せよう、あの紙も持っていこう、とわくわくしています。久しぶりに私の大好きなものに出会えて本当に本当に幸せなひと時でした。