入場券 その4

大昔、デルフィに行った時のバスの切符と入場券です。年代は価格から推して知るべし。
頃は2月、デルフィから更にパルナッソス山の高みを目指してスキーを積んだ車が通り過ぎるような土曜日でした。
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朝一番のバスに乗り、午後一番のバスでの強行軍で見学できた時間は1時間半ほど。理由はこちら
そんな短時間では遺跡すべてを見ることは出来ないので、ターゲットを絞りました。
絶対に見たかったのはデルフィ博物館。大地のへそ・オンファロスから始まって、ダンサーたちの円柱、フリーズの一つ一つに目が吸い寄せられていきました。
アクロポリスなどの巨大神殿を見ると私は、神を祀るために最先端、最高の技術、粋を極めたと言う圧倒的な美しさを感じます。
ここやケラミコスでは、等身大の、祈りを持って集った人々が主役という温かみが伝わる気がしました。

「いかん、どうしてもあれだけは見なくては!!!!」
d0042214_2352665.jpgあっという間に時間が経ってしまい、慌てて探したのは、あの御者像。三島由紀夫に「すぐれた音楽を目から聞くかのような感動を与える」と書かせた青年像です。
こういう時、期待が大きすぎて実物に「…」ということもよくありますが、この像には実物を見なくては伝わらない厚みがありました。
私の見た音楽はその全身のバランスの作り出すリズムに乗って奏でられていました。
澄んだ瞳が真直ぐに見据える先を、同じ向きに立って見ていたい、そんな気分にさせられました。
あれからデルフィへ足を延ばす機会がありませんが、彼はあの奥まった部屋で今も前を見ているのでしょうね。

実はこの帰りのバスでの事件を書きたかったのですが、あの感動を思い出してしまったのでそちらはまた後日。
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