入場券 その5

こちらは今年の入場券たちです。デルフィ、デロス、国立考古学博物館。ホログラムも使われて、進化してますね。
雑なちぎり方も味があると言えなくもない?
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さて、十数年前の冬、デルフィの遺跡で深い感銘を受けた一人の日本人のその後の話です。
帰りのバスを待っていると、老婦人が話しかけてきました。「ギリシャに来たらね、デルフィとオリンピアは必ず見なくてはダメよ。すべてがそこにあるのよ」
バスに乗り込み、かすかに見えるコリントス湾を眺めながら、日本人はしばし聖域の余韻に浸っていました。浸りすぎたのか、いつの間にか眠り込んでいました。

何かの気配にふと目を覚ますと、となりには巨大なギリシャ人が座っています。
やだなぁ、この狭いのにでかいのが。混んできたのかぁ。まだ半分、眠りの中にいた日本人はそう思ったものの大人しくしていました。
ところがだんだんそのギリシャ人の肘が当たってくるのです。
この!!こっちに寄るなよ、と身体を動かすのですが、肘鉄攻撃は止みません。
もう、どっか空いてないのかな、と後ろを振り向くと座席はがら空き!!
何と!! 何かの意図があってこいつはここに座っているのだと認識するまでにしばらくかかったものの、日本人は荷物をしっかりと抱えなおしました。
更に数十秒、日本人は勇気を出して立ち上がりました。
私は移動する、と目で、巨大ギリシャ人に示すと、坐ったまま、目でどうぞとの返事。
エコノミークラスの通路側をお相撲さんに塞がれているような状況なのに、通れるわけないじゃないか!!ついに日本人は「Stand up!!」と声を発しました。

後方に移動して貴重品の無事を確認していると、周りの女性たちが覗き込んでくるのです。
珍しがられてる?とどんどん被害者意識にはまってきそうな時、斜め後ろのギリシャ人女性が声をかけて来ました。
「大丈夫?何かされた?彼、私には触ってきたのよ!!あなたも触られた?」
触られた?あの肘鉄のこと?
事態を把握するまでにまた若干のタイムラグがあったものの、日本人はようやく彼女の言っていることが分かりました。「あの人、痴漢なの!?」

そのあと、件の巨大ギリシャ男はその席から移動することはありませんでした。
しばらくは日本人だからなめられてる?と怒りに燃えた私でしたが、ギリシャ女性が仲間として扱ってくれたことで落ち着くことが出来ました。
同性のありがたさと日本の満員電車の恐ろしさをあらためて認識。
本当にすべてがあるのかは分かりませんが、色々、見聞できたデルフィ行きでした。
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by kranaA | 2006-09-26 00:39 | 読むもの | Comments(0)