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ギリシャのスーパーにて

前記のスーパーで起きたささやかな事件。

このスーパーに私が行ったのは1時頃。店内は昼食のお買い物でそこそこの客入りでした。
レジは3つのうち、2つが開いています。
私は手前のレジのおじいさんの後ろに並びました。
おじいさんの前の前のお客さんのところで、店員さんが時計を見て、突如、宣言しました。
「この人でこのレジ閉めます!!」
おじいさんの前にいた人、私の後ろに並んでいた人たちはもう1つのレジにさっと移りました。
おじいさんと事情が飲み込めない私だけがそのレジに残りました。
おじいさんが苦情申し立て。
でも店員さんは「私の仕事は1時まで!!」
おじいさんと共に仕方なく移動。
ここまでは、多分、外国のスーパーでは、しばしば起こりえる風景なのかも知れませんね。

私の心を動かしたのは、その後、もう1つの列に並びなおした時のちょっとした出来事。
列の最後の女性が「私はあなた達の後に並んだからどうぞ」と譲ってくれたのでした。
それと同時に、レジ締め作業を始めた店員さんのきっぱりした態度。
まるでもう1つのレジに出来た長蛇の列を見てはいけない、私は私の仕事をする、とでも言ってるように、ひたすらうつむいて現金を数えていた姿でした。

日本では皆が急いでいるようで、私はようやくレジの順番が来た時、走って来たおば様に「ごめんなさい、私、急いでるのよぉ!!」と割り込まれたことがあります。
店員さんが困って私の顔を見たので、「申し訳ありませんが、私も急いでるんです」と叔母様を押し返した根性悪な私。

このギリシャでのスーパーでの出来事は、サービスと個々人の権利に対する考え方を見直すきっかけとなりました。
日本のサービスは顧客が心地よく買い物が出来るという点で、顧客の権利を大切にする視点(=サービス?)に立っていると思います。
一方でギリシャのスーパーでの出来事は、働く側の権利や客同士の権利も、顧客の権利と同等に扱われている表れではないかと、大げさですが感じたわけです。
どちらが正しいと言う問題ではないでしょうが、お互いの立場や権利を認め合うことでゆとりが生まれる気がします。その一方で、非効率的な事態も生じるのでしょうが。
by kranaA | 2008-01-26 23:59