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ギリシャのサッカーチーム

今年の関東地方の夏は気温が低い日が多かったので、7月末になっての本格的な暑さ、こたえますね。
ただ、現在アテネの気温は36度だそうで、それよりは良いのか、と思うことにしましょう。

そんな暑さの中、この冬のネタで季節感がないものが残っていたのでご紹介。
帰国のためアテネ、エレフテリオス・ベニゼロス空港で、自分のフライトを探していた時の事。近くの入り口付近に黒くて怪しいバスが止まりました。降りてきたのもギリシャでは珍しいスーツの集団。何だ、と見るとアテネのサッカーチームΑΕΚ(www.aekfc.gr/ )のチームバスでした。
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一見怖い人に見えたのは選手たち。ギリシャ人たちは写真をねだっていました。

私はギリシャに限らず、サッカーには詳しくないのですが、調べてみました。ΑΕΚはアテネの中心から少し北の郊外に行ったネア・フィラデルフィアを本拠地とする1924年結成の伝統あるチームです。
1922年、ギリシャは希土戦争で敗退しました。トルコ国内には、エーゲ海沿岸地方を中心に多くのギリシャ人居住区、自治区が残されました。その後、ローザンヌ条約で現在の国境線が確定、またトルコ国内のギリシャ人、ギリシャ国内のトルコ人の大規模な住民交換が決定されました。この住民交換でトルコからアテネに多くが移り住んだのがネア・スミルニとネア・フィラデルフィアです。ネア・フィラデルフィアの公園にはそれを記念したモニュメントがあります。
ΑΕΚの本名はΑθλητική Ένωσης Κωνσταντινουπόλεως(コンスタンチヌーポリスのスポーツ選手同盟と言った意味でしょうか)と言います。ギリシャでは現在でもイスタンブールのことをコンスタンチヌーポリスと言い、略してポリと言います。
トルコから独立し、その後、第一次世界大戦で領土拡大したギリシャが再び領土を失うきっかけとなったのが希土戦争でした。その仕掛人の一人がエレフテリオス・ベニゼロスです。その名を冠した空港で、その戦争をきっかけに生まれたサッカーチームに出会ったこと、ギリシャの歴史が古代だけではないことを改めて感じさせる邂逅でした。

by kranaA | 2016-07-31 23:46 | 番外編